デザイン学研究
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服飾デザイン画における頭身数とプロポーションの関係
─装苑賞の候補作品に基づく定量的分析
森下 あおい中村 顕輔
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2015 年 61 巻 6 号 p. 6_53-6_58

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抄録

 服飾デザイン画に施されるデフォルマシオンを解明するため,実際の作品に描かれた人物像について頭身示数とプロポーションの関係を分析した.装苑賞の候補作品のうち,自然な立位姿勢の人物像が描かれたデザイン画131点を試料とした.デザイナーに試料の人体を推定させて,2次元骨格モデルを適応した.骨格モデルからプロポーションに関する人体寸法13項目を抽出した.頭身数および寸法を分析したところ,(1) 頭身数と各寸法の相関係数が小さいこと(r = 0.01~ 0.41),(2)高さ項目の寸法のばらつき割合(標準偏差/平均)は8.00%~16.68%であり,幅項目に比べて半分程度であること,また(3) 幅項目はばらつきが大きいが,互いに相関が大きいため(r = 0.72~0.87),ひとつのパラメータでひとつのパラメータで概ね説明できることなどが分かった.これらの結果より,試料のプロポーションのデフォルマシオンは頭の大きさおよび身体の幅で基本的に説明できると考えられる.

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© 2015 日本デザイン学会
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