デザイン学研究
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日本統治時代の台湾における竹の産業的価値
陳 譽云三橋 俊雄
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2015 年 61 巻 6 号 p. 6_93-6_98

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抄録

 本研究では、日本統治時代の文献を通して,当時重要な自然資源であった竹に着目し、その時代的背景の中で竹が有する産業的価値について考察した。その結果、台湾という気候風土の中で育まれ、また、日本の台湾統治政策や当時の海外動向とも連動しながら、竹がいかに台湾の産業発展の重要な役割を担ってきたかについて明らかにした。 具体的には、竹資源を活かした竹産業の実態を調査し、その時代の変化に対応した政府の政策について(1)竹資源の産業的位置付け、(2)大規模竹材製紙業の模索、(3)竹細工生産の推移、(4)竹材工藝傳習所、副業と造林政策、代用品としての竹などについて検討した。 その上で、(1)農村の副業手段、(2)竹製バナナ籠としての需要、(3)工芸材としての需要、(4)製紙材としての候補、(5)鉄筋材としての代用など、日治時代における台湾の発展に関わる竹の産業的価値について明らかにした。

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© 2015 日本デザイン学会
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