西日本皮膚科
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研究
魚類による接触蕁麻疹における原因抗原の検討
古谷 喜義森田 英伸高路 修田中 稔彦山本 昇壯
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1996 年 58 巻 3 号 p. 436-438

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抄録

魚類による接触蕁麻疹を生じた2例において原因となる抗原物質の検討を行った。オープンパッチテストにて2例ともに陽性を示したアジを細切してPBSに1時間浸し, 遠心して可溶性タンパク質の抽出液を得た。これをゲル濾過法により分離し, 各分画のオープンパッチテストを施行した。2例とも約17-kDa付近の分画を用いたオープンパッチテストにて紅斑と膨疹の出現を認めた。また, この抽出液を80℃, 15分間以上処理すると紅斑と膨疹の出現は認められなかった。患者血清を用いてWestern blot法により抗原蛋白質を検索した結果, 約13-kDaの位置に反応がみられた。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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