2004 年 32 巻 p. 311-318
本研究では, 中国有数の大規模廃棄物処分場である上海市の老港廃棄物処分場をケーススタディとし, 衛星リモートセンシングを用いた大規模廃棄物処分場のモニタリング手法について検討した. 具体的には, 老港廃棄物処分場の埋立進捗状況の把握, 地表面被覆状況と地表面温度との関連性, 埋立完了区画における植物活性度と埋立ガスとの関連性について分析した. その結果, 異なる時点の衛星画像について地表面被覆分類を行うことにより処分場の埋立進捗状況を把握できること, 地表面に廃棄物が露出している箇所の地表面温度が高いことが衛星画像からも確認できること, 植物活性度 (NDVI)の増加量を用いることで埋立ガスの発生状況を間接的に把握できる可能性を示した.