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原著
放射性セシウム分析用玄米粒認証標準物質の調製方法と保存方法の開発
八戸 真弓 等々力 節子海野 泰裕三浦 勉柚木 彰濱松 潮香
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 65 巻 4 号 p. 169-180

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抄録

玄米粒を原料とし,食品を対象とした放射性セシウム(134Cs+137Cs)分析用認証標準物質の候補試料の調製方法と安定保存方法を検討した。標準物質として耐えうる均質性と安定性を確保するため,玄米粒をあらかじめU-8容器に密封したものを認証標準物質として頒布することにした。玄米の米袋は放射性セシウム濃度(134Cs+137Cs)80 Bq kg−1に近い濃度のものを選抜した。玄米は手作業で穏やかに混合し,81.00±0.02 gを満たす精度でU-8容器に直接はかり入れた。U-8容器の蓋と玄米粒の間に,内板とスペーサーを挿入して充填した後,全てのU-8容器充填試料に対してγ線照射による滅菌処理を行った。試料の放射性セシウム濃度分布から,調製した候補試料は標準物質として妥当な均質性を保有していることが確認された。さらに調製後の試料は,飽和塩化ナトリウム水溶液を利用した保存により,水分含量を維持した状態での保存が可能となった。

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© 2016 公益社団法人日本アイソトープ協会
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