RADIOISOTOPES
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65 巻 , 4 号
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原著
  • 三浦 勉, 柚木 彰, 海野 泰裕, 濱松 潮香, 八戸 真弓, 等々力 節子
    2016 年 65 巻 4 号 p. 157-167
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル オープンアクセス
    放射性セシウム分析の妥当性が確認できる玄米認証標準物質を開発した。2011年に収穫された玄米粒を均質化し,認証標準物質の原料とした。134Cs, 137Cs放射能濃度の認証値は校正されたGe半導体検出器による測定で決定した。Ge半導体検出器のピーク計数効率は国家標準にトレーサブルな134Cs及び137Cs放射能標準液で求めた。測定と均質性に基づく標準不確かさから算出した認証値の拡張不確かさは134Cs放射能濃度が5.9%,137Cs放射能濃度が5.5%であった。
  • 八戸 真弓, 等々力 節子, 海野 泰裕, 三浦 勉, 柚木 彰, 濱松 潮香
    2016 年 65 巻 4 号 p. 169-180
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル オープンアクセス
    玄米粒を原料とし,食品を対象とした放射性セシウム(134Cs+137Cs)分析用認証標準物質の候補試料の調製方法と安定保存方法を検討した。標準物質として耐えうる均質性と安定性を確保するため,玄米粒をあらかじめU-8容器に密封したものを認証標準物質として頒布することにした。玄米の米袋は放射性セシウム濃度(134Cs+137Cs)80 Bq kg−1に近い濃度のものを選抜した。玄米は手作業で穏やかに混合し,81.00±0.02 gを満たす精度でU-8容器に直接はかり入れた。U-8容器の蓋と玄米粒の間に,内板とスペーサーを挿入して充填した後,全てのU-8容器充填試料に対してγ線照射による滅菌処理を行った。試料の放射性セシウム濃度分布から,調製した候補試料は標準物質として妥当な均質性を保有していることが確認された。さらに調製後の試料は,飽和塩化ナトリウム水溶液を利用した保存により,水分含量を維持した状態での保存が可能となった。
  • 海野 泰裕, 柚木 彰, 三浦 勉, 濱松 潮香, 八戸 真弓, 等々力 節子
    2016 年 65 巻 4 号 p. 181-190
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル オープンアクセス
    134Cs及び137Cs放射能を測定するγ線スペクトロメトリについて,2013年5月から6月に技能試験を実施した。技能試験の参照値は国内外の校正機関により検証され,その妥当性が示された。技能試験の参加者から報告された値の参照値からのばらつきが全体としては小さいことが示された。参照値からの差が大きい報告値に対しては,測定内容の見直しを促すシグナルが発せられた。今回の技能試験により,参加者全体の技能レベルが明らかになった。
連載講座
ミュオン科学
  • 杉山 純
    2016 年 65 巻 4 号 p. 191-199
    発行日: 2016/04/15
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル オープンアクセス
    電池材料の充放電速度を決める重要な物質定数である「イオンの自己拡散係数」を,ミュオンスピン緩和(μ+SR)測定で調べた結果をまとめる。表面ミュオンのスピンの向きはその運動量と反平行に揃っているので,零磁場下でも試料の内部磁場を測定できる。この特徴を使って,核磁場と電子磁場の共存する系でも,イオン拡散による核磁場の変動を検出できる。一方,核磁場共鳴による拡散測定は,常磁性イオンの影響を大きく受けることが知られている。実際に,電池の正極材料であるMn, Fe, Co, Ni等とLiやNaの複合酸化物中で,Li+やNa+の自己拡散係数をμ+SRで見積もった。さらに物質定数である自己拡散係数が明らかになると,電池に重要な,可動イオン濃度(=キャリア濃度),電極の反応面積,拡散経路を推定できることを示す。また,打込み深さを調整できるミュオンビームを用いた将来研究を展望する。
中性子散乱による原子・分子のダイナミクスの観測
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