糖尿病
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病態・代謝異常・合併症
Continuous Glucose Monitoring(CGM)による糖尿病合併妊娠の食後血糖peak時間の検討
吉野 苑美林 哲範岸原 絵梨子小川 顕史市川 雷師守屋 達美七里 眞義
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2013 年 56 巻 9 号 p. 646-652

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抄録

背景:糖尿病合併妊娠における母児合併症を減らすためには,食後血糖値を含めた厳格な血糖コントロールが必要である.しかし,糖尿病合併妊娠における最適な食後血糖測定時間は,依然明確になっていない.目的:糖尿病合併妊娠患者(DP群)の食後血糖値が最高値(peak)に達するまでの時間(食後血糖peak時間)につき検討した.方法:DP群29人のべ35例に,持続血糖測定(Continuous glucose monitoring;CGM)を用いて,解析した.75 gOGTTにて正常型を確認した耐糖能正常非妊娠女性7人7例を正常対照(N群)とした.結果:DP群の食後血糖peak時間は81±15分で,N群の52±13分に比し有意に長かった(p<0.0001).さらに,DP群では妊娠週数と食後血糖peak時間に正の相関を認めた(r=0.45, p<0.01).結論:糖尿病合併妊娠では食後血糖peak時間は健常者より長く,妊娠週数によって変化することが示唆され,それらをふまえて食後血糖測定時間を決定し評価する必要がある.

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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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