美術教育学:美術科教育学会誌
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図式期における子どもの画面構成プロセスの研究 : 視覚的文脈と物語的文脈に注目して
栗山 誠
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2012 年 33 巻 p. 187-199

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抄録
本研究は,図式期の子どもたちが一枚の絵を構成していく過程での描画内容の意味の変化について詳細に記録し,考察したものである。特に本論では,描画過程での視覚的文脈と物語的文脈に着目できるように'描画プロセス分析シート'を用い,次のことを明らかにした。(1)部分から全体への意識転換が契機となり,描いている内容に変化が生じることがある。(2)子どもは画面を構成していく過程で,手順や画面上の最初に描いたものの配置により,その後の画面上の意味や視覚的バランスが変化し,新たな描画内容に発展することがある。(3)画面の中に様々な小さな物語が現われるが,やがてそれぞれの物語の要素が融合され新たな物語に更新されることがある。
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© 2012 美術科教育学会
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