2018 年 39 巻 p. 347-359
「錯視」や「だまし絵」を題材として扱ったり,学習の過程で取り上げるとき,現状では教科書や画集などの図版を用いて紹介している。図版のみによる紹介には限界があり,インタラクティブに図形を移動したり,視点を自由に動かすことによってこそ感動を持って実感することが可能となる。学校現場では,ICTの導入が加速し,パソコンや電子黒板の普及が進んでいる。タブレット端末を一斉導入する自治体も増えてきている。 本研究は,そのような背景を踏まえ,「錯視」や「だまし絵」に関して,インタラクティブな操作や視点の移動,動画などを用いてもっともわかりやすく実感できるデジタルコンテンツをデータベース化したソフトウェア,すなわちデジタル教材を開発することである。本稿は,具体的なソフトウェアの画面を示しながら,その設計思想を論じている。