美術教育学:美術科教育学会誌
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美的感受,解釈,価値判断
北斎『富嶽三十六景 凱風快晴』と片岡球子『山 富士山』をめぐって
立原 慶一
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2019 年 40 巻 p. 255-267

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抄録
第一の局面では,最高水準の美的感受体験である「趣味→趣味」の二項連携がより多くなされる方法論は,択一選択法と双方選択法の一体どちらかの方であるのか。美的特性感受の実態を捉え,両方法論の優劣を実践的に究明するべく,それらに美的特性感受の回数という物差しを適用した。とくに価値特性としての趣味特性が感受された数量の違い,という観点から両方法論を対比させる。かくて択一選択法の優越性を見極めた。 第二の局面では,両方法論のそれぞれの場合にあって,作品の解釈と価値判断の実質がもとより達成されるが,とくに教育効果の差違的な様相に着目した。すなわち質的統一をにらみながら類的特性のあり方を検討する,という類型化による考察が試みられる。 実践的方法論としての有効性をまとめてみると,美的感受体験については択一選択法の方がより多く達成させるが,解釈と価値判断に関しては双方選択法の方がより大きく促進させる。こうした知見が得られた。
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© 2019 美術科教育学会
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