抄録
本研究では,重複障害児の美術科指導に求められるPDCAサイクルに基づく指導目標設定の課題として,1「重複障害児の障害特性を踏まえた指標の創出と設定手続きの明確化」,2「実態把握のためのMT(Main-teacher)とST(Sub-teacher)の連携体制の構築」を挙げ,その解決を目指し「ルーブリックに基づく授業設計シート」を開発した。
指導記録とSTの談話の定性的な分析により,両課題に対するシート活用の有効性として,次の2点が示された。課題1に対しては,各生徒の学習状況を踏まえた学習グループ独自のルーブリックを構築するとともに,それを出発点とした指導目標と手立ての設定手続きを視覚的に示す。課題2に対しては,美術科のねらいや内容を明示されたSTが,指導への参画意識を高め,学級担任としての独自性を生かした情報をMTへ提供する。