美術教育学:美術科教育学会誌
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日本の国際協力における基礎教育分野の一考察 II
対中南米造形美術教育の技術移転に関する質的分析
山田 猛
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2019 年 40 巻 p. 393-410

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抄録
日本の国際協力における造形美術教育・対中南米基礎教育分野にフォーカスし,その技術移転の可否に分析視点を設定し,帰納的に導き出した報告書記述を分類する質的分析を中心にアプローチを行った。日本の技術協力は,ODA実施機関であるJICAによる技術移転を目的としている。青年海外協力隊・シニア海外ボランティアの派遣職種“美術”の中南米派遣者を研究対象とし,技術移転に至る協力活動上の諸要因を多角的に分析・考察した。これまでの研究で得た知見として,技術移転可否を分ける要因として活動半ばにおけるボランティア自身の変化があるが,本論では,職務内容外活動を積極的に行うことがその誘因となり,教員の変容や,それを後押しする学生・子どもの変容,さらに保護者の理解や変容に繋がることが明らかとなった。国際協力活動による効果や,ボランティアの約1/3が技術移転に至るが,その造形美術教育協力の構造や,地域文化への配慮の重要性が新たな知見として得られた。
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© 2019 美術科教育学会
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