抄録
本研究の目的は,小学校低学年の「造形遊び」の学習評価を通して,見取りの観点の利点と限界について考察することである。具体的には,新聞紙を用いた2 年生の事例に対して,見取りの観点(=コード)を用いた分析と準エピソード記述という二通りの評価を行い,両者の結果を総合した。分析・考察の結果,見取りの観点には,内容の構成妥当性を担保する機能があることが明らかとなった。それは,教師の視野を広げ,題材の成果や課題,潜在的なよさに気づかせる。一方で,それは「造形遊び」の思想の原点である「子どもの論理」を支えるには不十分である。現象学的方法と並行して,仮定的な構造を示す方策を開発することが必要である。