抄録
本論の目的は,成人が造形活動を通して,新しい価値に向かう契機について考察することと,それに伴う成人の造形活動への価値づけや意義を顕在化する検証方法を確立することである。目的達成のため,文化的実践の概念に基づき家電製品を分解するワークショップ(以下, WS)で二つの調査を行った。調査①ではWSへ参加した成人の新しい価値へ向かう態度の傾向を捉えるため,創造性と審美を併せた態度尺度(以下,創造的態度尺度)の事前アンケートを行い,調査②では調査①で顕著な傾向のWS参加者2 名の観察分析を行った。成果としては,調査①の結果と造形活動での成人の姿に共通点が見られたため,創造的態度尺度が検証方法として有効であることと,価値との関わり方を変容させる契機は発見した価値への自覚である可能性を示すことができた。