日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
会議情報

[3Aa] フレーバー物質,色素
ハイブリッド香気抽出による網羅的香気分析に基づく醤油のバリエーション評価
*内田 光流嶋田 海斗松田 あかね飯島 陽子
著者情報
キーワード: 醤油, 香気分析, 網羅的分析
会議録・要旨集 フリー

p. 198-

詳細
抄録

【目的】醤油は日本食に不可欠な調味料であるが、原料や製造法の違いにより、その風味バリエーションは豊富である。その香気抽出では、試料の持つ香気特性への忠実性に重きを置いたSAFE法、一方で抽出・分析のスループット性や簡便性を重視した固相抽出法を用いた報告が多いが、実際に感じるバリエーションの評価には両方の性質を生かした手法が必要である。最近、我々はSA-SBSEアセトン逆抽出法が、醤油に対しサンプル本来の香気特性への忠実性、スループット性、定量性に優れていることを報告した。しかしGC上で低沸点香気成分は溶媒ピークと重なるため、網羅性において不十分であると考えた。そこで本研究では、SA-SBSEアセトン逆抽出法とHS-SPME法で得たデータのハイブリッド解析により網羅性を高め、醤油の香気組成によるバリエーションを評価した。

【方法】市販の国内産白・淡口・濃口・たまり・再仕込み醤油を収集した。各醤油を超純水で5倍に希釈し、NaClを加えて塩析、内部標準(4-octanol)を一定量加え抽出用試料溶液とした。SA-SBSEは、あらかじめ有機溶媒膨潤したFLEX-Twisterを試料溶液中で撹拌し、香気成分を吸着させ、その後アセトンで逆抽出し、GCMS分析に供した。HS-SPMEでは、同様の試料溶液に対し、ヘッドスペースガスにSPMEファイバー(DVB/CAR/PDMS)を挿入し、香気吸着を行い、直接GCMS分析を行った。

【結果および考察】2種の抽出物から得たGCMSデータを統合し、検出成分ピークを用いて(約300種)主成分分析した結果、醤油の種類でグループ化され、原料や製造法の違いが大きいことが分かった。しかし、濃口醤油や淡口醤油に比べて白醤油やたまり醤油のばらつきは大きいことから、メーカーの特性が出やすいことが分かった。現在、より詳細に解析し、醤油の特性の違いについて調べている。

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top