日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Gp] 豆、イモ
やまのいも「きたねばり」の褐変原因物質の同定
*山村 広大中澤 洋三
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p. 324-

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抄録

【目的】 「きたねばり」はイチョウイモとナガイモを交雑させた品種である.「きたねばり」は両種の優れた特性を持つ高品質な品種であるが,摩砕や切断などの加工時に褐変しやすい特徴も有している.先行研究により「きたねばり」の褐変現象は,ペルオキシダーゼによって引き起こされている可能性が分かっており,この反応は活性酸素である過酸化水素を基質として,ポリフェノールを酸化重合させるものと考えられる.しかし,褐変の主な原因となっているポリフェノールは未だ判明していないため,本研究ではHPLCやNMRなどの機器を使用し,「きたねばり」の褐変に関与するポリフェノールを同定することを目的とした.

【方法】 非褐変状態の「きたねばり」抽出液を得るために,「きたねばり」担根体(首部)を一度冷凍してからハンマーにて粉末状にし,ブランチング処理した.それを70%メタノールで抽出し,得られた抽出液をSep-Pak Plus C18 Cartridgeに供した.各濃度のメタノール水溶液にて分画し,溶媒を除去した後,ペルオキシダーゼと過酸化水素で発色試験をした.発色が確認できた画分について,ODS-3カラムによるHPLC精製をメタノール濃度のグラジエント溶出にて行った.

【結果】 Sep-Pakで分画したところ,30%に最も濃い赤色の発色が確認された.10%と50%にも発色が見られたが,主要な褐変成分ではないと判断した.30%画分を目的物質溶出画分としてHPLC分析したところ,メタノール濃度50~70%あたりに目的ポリフェノールを含む可能性のあるピークを確認することができた.今後はフラッシュカラムを用いて分画した後,HPLCで精製し,得られた画分を構造解析して同定する予定である.

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