日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ia] 畜産物、乳製品
直接加熱殺菌牛乳の長期常温保存時のゲル化の早期予測方法の確立,及びゲル化抑制方法の検証
*永井 千絵鈴木 泰輔草間 完太栗本 昌樹秋山 正行井上 肇
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p. 348-

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抄録

【目的】近年,常温保存可能な牛乳の重要性は高まっており,その賞味期限の更なる延長,及び賞味期限内の風味向上が求められている.直接加熱殺菌牛乳は,間接加熱殺菌牛乳に比べて,保存中の風味変化が小さいことが示唆されている.その一方で,内因性プロテアーゼのプラスミンが主にβ‐カゼインを分解することで長期常温保存時に直接加熱殺菌牛乳はゲルを生じる.長期常温保存可能な直接加熱殺菌牛乳の開発には,ゲル化しない製造方法の確立が必要となる.ゲルの発生には数か月程度の長期間を要するため,ゲル化抑制方法を開発するためには,ゲル化を短期間で予測できる方法の確立が求められる.本研究では,ゲル化の有無を早期に予測できる方法を確立すると共に,その方法を用いてゲル化を抑制できる直接加熱殺菌前の加温保持の条件と効果を検証することを目的とした.

【方法】森永乳業の関東地域の工場に集乳した新鮮な生乳を,加温保持(加温保持なし,80℃2分間,80℃5分間,85℃2分間,85℃5分間,87℃5分間)後,直接加熱式のインフュージョン殺菌機で127℃5.5秒間の処理を行い,バキューム処理後,全圧力22 MPaで均質化し,直接加熱殺菌牛乳を調製した.その後、防腐目的でアジ化ナトリウムを0.1%添加し,PETボトル容器に充填した.各牛乳を5,25,及び37℃で,2及び4週間保存後,カゼイン分解度をSDS-PAGE及びHPLCで分析した.また,各牛乳を25℃で6ヶ月間保存し,ゲル化の有無を確認した.

【結果】直接加熱殺菌牛乳を37℃で2,4週間保存し,SDS-PAGE又はHPLCでカゼイン分解度を確認することで,長期常温保存時のゲル化の有無を予測できることを見出した.また,先行研究で未確認であった4条件(80℃2分間,80℃5分間,85℃2分間,85℃5分間)で加温保持した直接加熱殺菌牛乳で,ゲル化が抑制されることを確認した.

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