日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Mp] 鮮度保持、資源循環、その他の食品工学
抗酸化能比色測定用材料としての応用を目指した多糖ゲル材料の開発
*辻本 千織宮崎 愛理本田 祐歌宗 伸明
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p. 437-

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抄録

【目的】

 DPPH法は,紫色の有機ラジカルであるDPPH(1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazyl Free Radical)の色変化に基づき分析を行う抗酸化能測定法である.一方,アルギン酸は,褐藻類由来の天然多糖であり,カルシウム等の二価陽イオンの添加によりゲル化する性質を有する.本研究においては,DPPHを含有したアルギン酸ゲルを作製し,抗酸化能測定用材料としての応用を検討した.

【方法】

 エタノールに溶解したDPPHとアルギン酸ナトリウム水溶液を混合し,これに乳酸カルシウム水溶液を加えて混合・静置することにより,DPPH含有ゲルを充填した96wellプレートを作製した.このDPPH含有ゲルに対し,抗酸化物質であるアスコルビン酸ナトリウムを添加し,プレートリーダーを用いて吸光度の時間変化を測定した.また,DPPHを溶解する溶媒としてDMSOを用いたDPPH含有ゲルも作製し,同様の検討を行った.

【結果】

 まず,エタノールをDPPHの溶媒として作製したDPPH含有ゲルに関し,アスコルビン酸ナトリウムを加えたところ,期待したDPPH由来の紫色の退色は確認できなかった.一方,DMSOをDPPHの溶媒として作製したDPPH含有ゲルについては,アスコルビン酸ナトリウムの添加に伴い,DPPH由来の紫色の退色に伴う吸光度変化が観測できた.従って,DPPHを溶解する溶媒の種類が,アスコルビン酸ナトリウム添加に伴うアルギン酸ゲル内でのDPPHの色変化に影響することが明らかとなった.DMSOを用いて作製したDPPH含有ゲルに関しては,添加したアスコルビン酸ナトリウムの濃度に対応した吸光度変化が観測されたことから,抗酸化能測定用材料としての有用性が示唆された.今後は,様々な抗酸化物質に対する応答性を評価し,その実用性について検討を行う予定である.

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