日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[2Ep] 骨代謝、ミネラル代謝、抗酸化
地域別モリンガ食パンに含まれる成分と膨化および抗酸化の関係
*黒須 友里愛郡山 貴子細谷 孝博
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キーワード: モリンガ, 酵母, Q3G
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p. 78-

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抄録

【目的】モリンガ(Moringa oleifera)は,ワサビノキ科ワサビノキ属の植物であり,熱帯・亜熱帯地域で広く栽培され,栄養面で優れていることから古くから食用とされてきた.近年,抗酸化や抗肥満作用などの高い機能性を有する報告があり,我が国でも注目が高まっている.我々は,食への応用の一例として,モリンガを含有した食パンを調製し,栄養面や機能性が高まることを見出した.しかし,食パンの膨化が抑制されることを確認し,その原因成分がquercetin-3-glucoside(Q3G)とkaempferol-3-glucoside(K3G)であることを明らかにした.本研究では,Q3Gに着目し,各地で栽培されたモリンガを用いて食パンを調製し,それらの抗酸化作用,Q3Gの含有量,および食パンの膨化を観察し,地域別モリンガの特徴を明らかにすることを目的とした.

【方法】乾燥したモリンガの葉を粉砕し,パウダー状にした.モリンガ食パンは,通常の食パンに使用する小麦粉の5 %をモリンガパウダーに置換し,調製した.焼成後,食パンの膨化を確認し,凍結乾燥させた.メタノールを用いて成分を抽出した抽出物について,抗酸化活性はDPPHラジカル法を,Q3Gの量はLC/MSを用いて評価を行った.

【結果】焼成した食パンは,モリンガパウダーを含有することで,膨化を抑制した.抗酸化活性は,500 µg/mLにおいて埼玉県産モリンガが26.0 % ±1.25,沖縄県産が14.5 % ±2.77であり,埼玉県産の方が高かった.Q3Gの含有量は,埼玉県産モリンガが8.5 mg/g,沖縄県産が2.7 mg/gであった.これらの結果より,モリンガ食パンの抗酸化活性はQ3G含有量と相関を示したため,Q3G含有量に依存していると考えられる.現在,他の産地のモリンガについても同様の解析を進めており,これらについては,本大会で報告する.

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