日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Fp05
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[2Fp01-10] その他の成分、感性評価、官能評価
しいたけ粉末由来レンチナン水溶液のゲル化とゲルの物性評価
*山下 郁美矢口 朋恵小林 結子伊東 秀之小森 博文野田 響子佐藤 瑶子西成 勝好新田 陽子
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抄録

【目的】近年,食品ロスの削減は持続可能な社会の実現に向けた重要な課題となっている.食べられるにもかかわらず廃棄されている食品の中には,きのこ類の石づきや柄,規格外品が含まれる.日本は世界第2位のきのこ生産国であり,年間生産量は約44万トン,うちしいたけは約7.6万トンにのぼる(林野庁「特用林産物生産統計調査」令和5年).本研究では,しいたけ粉末に加圧加熱調理を施すことでゼリー素材を抽出し,ゲルを作成した.また,そのゲルの特性評価を行った.

【方法】しいたけ粉末(島原しいたけ生産組合)を脱脂および除タンパク処理後,加圧熱水抽出(128℃)を行い,40%エタノール沈殿により得られた高分子画分を分析用試料とした.その試料についてゲルろ過クロマトグラフィーによる分子量分布測定およびNMR解析(600 MHz, Avance III HD, Bruker)による化学構造の推定を行った.試料を蒸留水に分散させ,1晩室温で攪拌膨潤後、90℃で10分加熱して溶解させた.0.6~1.2 wt %の溶液に対して,レオメーター(MCR302e, Anton Paar)にて,ゲル形成時の貯蔵剛性率G'および損失剛性率G"の温度依存性等を評価した.形成されたゲルについては一軸圧縮試験による応力-歪み曲線を得た。

【結果】得られたゲルは無色透明かつ無臭であり,4℃で24時間静置することで,応力-歪み曲線において破断点を有するゲルが形成された.0.6 wt %でもゲル形成が確認された.試料の平均分子量は約51万であり,NMR解析により,β-1,3およびβ-1,6結合を有する多糖類レンチナンであることが示唆された.動的粘弾性測定の降温時において6℃付近からゲル化が始まり,4℃以下では測定周波数全範囲でG'がG"の10倍以上となる“真のゲル”の挙動を示した.また,熱可逆性を示し,加温により融解した.

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