日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Da04
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[3Da01-10] 加工,製造技術
梅干の製造工程における塩蔵時の温度が塩蔵果実の品質および成分に及ぼす影響
*北村 貴由, 堀西 朝子, 尾崎 嘉彦
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抄録

【目的】梅干の製造工程には塩蔵と天日乾燥が含まれ, これらの工程では人為的な温度管理は行われていない. 天日乾燥工程では温度と光の影響で梅干の表面色およびプロアントシアニジン(PA)の組成が変化することが報告されているが1), 塩蔵工程での温度の影響を調べた報告はない. そこで, 塩蔵時の温度が品質や成分に及ぼす影響を検討した.

【方法】 ウメ果実重量の20%の食塩を加え, 果実重量と同じ重量の重石をし, 5℃(低温区), 25℃(常温区)で塩蔵を行った. 塩蔵果実表面の色調は色差計を用いてL*a*b*表色系で評価した. 硬度は貫入応力で評価した. 1ヶ月間塩蔵した果実を果肉と核に分け50%EtOH で抽出し, ポリフェノール分析に供した. 抽出性ポリフェノール(EPP)はFolin-Ciocalteu 法により, 抽出液中のPA(抽出性PA, EPA)と残渣に残存するPA (非抽出性PA, NEPA)は各々, HCl-BuOH 法により定量した. 主要なEPA成分は, 逆相HPLCによる蛍光検出(励起波長 230nm/蛍光波長 321nm)で定量するとともにLC/MS分析で構造推定を行った. カテキン(C), エピカテキン(EC)m, プロシアニジンB2(B2)はそれぞれの市販標品を用いて定量し, A型2量体と推定された3つの化合物はプロシアニジンA2当量で定量した.

【結果】色調は, 低温区で赤みを示すa*値が低かった. 硬度は, 低温区が高かった. EPA含量は低温区が高く, NEPA含量は低温区で低かった. HPLCクロマトグラムでは, 10個のピークが検出された. このうち, C, EC, B2と3つのA型2量体PAはいずれも低温区の方が高くなった. 構造推定に至っていない4つのピークの面積は温度による明確な影響を受けず, 増減についても一定の傾向を示すものではなかった.

1)野口晟太郎ら, 日本食品科学工学会第 69 回大会講演集, 131 ( 2022 ).

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