日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Da06
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[3Da01-10] 加工,製造技術
乾燥工程に常圧凍結乾燥を用いたフルーツ乾燥品の品質評価
*安信 淑子, 松山 真衣, 西村 晃一, 松村 康生, 中川 究也
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抄録

【目的】飢餓やフードロス等の世界的な食糧問題を背景に,食品を高品質に長く保存できる技術への関心が高まっている.家庭用冷蔵庫では,保存技術である冷凍・冷蔵での高品質な保存の実現を目指している.冷蔵庫では,冷却した空気を常に循環させる必要があり,このため庫内の相対湿度は下がり,食品の乾燥が促進されるという課題がある.今回この課題をむしろ活用する方向に考え,乾燥をさらに促進させることで乾燥食品を作製するという手法が,新しい保存技術として可能性があるのかを検討した(以降常圧凍結乾燥とする).本研究では,常圧で凍結乾燥を行う常圧凍結乾燥を工程に用い,独自の温度アルゴリズムで庫内の相対湿度の低下を促進させて食品の乾燥を行った.完成した乾燥品の品質について評価を行ったので報告する.

【方法】パイナップルを縦4等分のくし形に分割し,果肉を幅8mmにカットし実験に供した.カットしたパイナップルは各乾燥条件,常圧凍結乾燥(凍結温度-28℃),真空凍結乾燥(凍結温度-40℃),熱風乾燥(70℃)にて乾燥品を作製した.乾燥品の品質評価については,官能評価(評点法:かおり強度0~5の6段階評価,アンケート調査),GC/GC-MSによるかおり成分の分析,X線CTによる構造観察を実施した.またパルス核磁気共鳴装置にて残存する水の運動性についても評価を行った.

【結果】官能評価では,フルーティーなかおりが常圧凍結乾燥で最も強く,粘りのある独特の食感がコメントとして挙げられた.GC/GC-MS分析にて検出された揮発成分とフルーティーなかおりに相関が得られ,特に常圧凍結乾燥で増加するエステル類が数種確認されたことから,かおりへの関与が推定された.X線CTでは,常圧凍結乾燥に独自構造が観察され,パルス核磁気共鳴では,常圧凍結乾燥で運動性の低い水の比率が高まるなど,常圧凍結乾燥に特徴的な品質が見いだされた.

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