日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ea08
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[3Ea01-10] 栄養成分(タンパク質,炭水化物,脂質,ビタミン,ミネラル)
日本固有の食品中のコリン化合物含有量測定
*大久保 剛
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キーワード: コリン
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抄録

【目的】コリンは、細胞膜の主要構成成分であるホスファチジルコリンや神経伝達物質アセチルコリンの前駆体として、生体内で極めて重要な役割を担うビタミン様物質である。特に乳幼児期の脳発達において不可欠であり、アメリカでは摂取目安量が示され、主要食品のコリン含有量を網羅した「USDA食品成分データベース」が整備されている。一方、日本では食文化の違いから、日本固有の食材は同データベースに含まれておらず、国内の食品成分表にも掲載がない。そのため、日本人のコリン摂取実態を把握することが困難となっている。そこで本研究では、日本で日常的に摂取されている食品に含まれるコリン化合物の実測値を取得し、定量的な基礎データを蓄積することを目的とした。

【方法】対象とする食材をホモミキサーで均一にすり潰し、メタノール抽出後、遠心分離により不溶成分を除去した上清を分析試料とした。水溶性コリン化合物(例:遊離コリン、グリセロホスホコリン)は、XBridge BEH HILICカラムを用い、酢酸アンモニウム緩衝液とアセトニトリルのグラジエントで分離し、LC-MS/MSにより検量線法で定量した。脂溶性化合物(例:ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン)は、CAPCELL PAK C18カラムを用い、内部標準法により定量した。

【結果】分析の結果、海産物や発酵食品など、日本の伝統的食材にはコリン化合物が多様な形で含まれていることが確認された。特に同一種の食材でも産地や加工方法によって含有量に変動が見られた。これらの食材はUSDAデータベースには含まれておらず、現行の日本の食品成分表にも未掲載である。

【考察】日本人のコリン摂取量を正確に評価するためには、日本固有の食材に含まれるコリン化合物の網羅的な実測とデータベース化が不可欠である。今後は、海産物に加え、納豆などの発酵食品、植物性食品等への分析対象の拡大が求められる。

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