抄録
グレリン受容体は主に視床下部・弓状核および下垂体等で発現し、成長ホルモン(GH)分泌や摂食亢進作用を持つ「グレリン」の機能を発揮させる重要な受容体である。我々は、ウシ・グレリン受容体遺伝子全長(約 6.5キロ塩基対)の塩基配列をウシ 13品種で決定し、塩基多型の全容を明らかにした。1,285頭の黒毛和種後代検定牛集団を用い、本遺伝子の塩基多型と増体形質との関連性を検討したところ、5'UTRマイクロサテライト((TG)n)と nt-7(C> A)座位に有意関連性を認めた。この関連性を説明する仮説(“translational hypothesis”)を提案した。