抄録
褐毛和種高知系は、和牛の4品種の一つである褐毛和種の系統で、主に高知県で飼養されている。褐毛和種は、
増体及び飼料利用効率が優れ、放牧適性を有するといった特徴をもっているが、飼養頭数が非常に少ない。したがって希少な系統である褐毛和種高知系の保存及び改良のためには、本系統の遺伝的特性を明らかにし、それに基づいた育種戦略が必要である。本研究では、褐毛和種高知系の遺伝的特性を明らかにするため、脂肪酸組成、イノシン酸量、肉のやわらかさ、格付項目及び毛色に関連する多型を有する12 遺伝子:SCD、FASN、SREBF1、LEP、NT5E、CAPN1、CAST、S1PR1、FABP4、SDR16C5、NCAPG 及びMC1R で得られる多型について、そのアレル頻度を調査した。
アレル頻度の調査結果から、SCD、FASN、SREBF1、LEP、NT5E、S1PR1、CAPN1 及びCAST 遺伝子の多型については、望ましい効果をもつアレルの頻度が0.28 ~ 0.80 であることから、褐毛和種高知系の肉質及び経済的に重要な形質の改良に利用できる可能性が示された。今後は、これらの多型について、形質との関連を検証することが必要である。