經營學論集
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第84集 経営学の学問性を問う
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自由論題
(37)組織変革期における経営理念の機能
──SECIプロセスによる戦略的組織ルーティンの考察を通して──
*槇谷 正人
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p. F37-1-F37-11

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抄録

本研究は、経営理念の機能が戦略的組織ルーティンに及ぼす影響要因を、SECIプロセスの援用により解明することである。研究方法として、持続的成長と発展モデルと戦略的組織ルーティンの遂行プロセスモデルを提示し、キヤノンの創業期から現在までの考察により企業の持続性のメカニズムをモデル化した。その結果、組織変革は経営者の意思決定の基準明確化により組織ルーティンが破壊され、組織メンバー間の相互作用を促進する組織形態により競争優位の戦略的組織ルーティンが安定することが明らかになった。さらに、新たな環境変化への対応のため、組織学習の誘発と促進による戦略的組織ルーティンの変化と創造が新たな組織変革を生み出していた。つまり、内生要因として、組織変革期の経営者の経営理念と連動した意思決定と、組織メンバー間の相互作用を生み出す組織形態の変化で、組織学習がルーティン化されたのである。

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© 2014 日本経営学会
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