これまで日本の雇用システムは長期安定雇用主義が特徴とされ,技術系人材についても,企業の内部労働市場の中で活用されることが多かった。しかし,グローバルなメガコンペティションと呼ぶべき厳しい状況下,旧来型のHRM施策を技術系人材に適用することが困難になりつつあり,グローバルに適用可能な理論枠組に基づき,HRMを構築していかなければならない。本稿では,実務レベルで利用可能な新たな技術系人材マネジメントのスキーム作りを目指したものであり,主な成果は以下のとおりである。
(1) 「人材アーキテクチャー」(Lepak and Snell,1999)を技術系人材のマネジメントへ適用する際の問題点を考察した。
(2) 「知識」視点を導入し,その流出リスクを考慮した技術系人材マネジメントモデルを構築した。
実務家へのインタビュー調査により,構築したモデルの有用性を検討した。
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