中間管理職のストレスを導く要因を過労自殺との関係から検討するため,アンケート調査を行った。結果として第一に,メランコリック親和型性格は,遠慮のみでうつ反応に有意な説明因となった。第二に,協力の必要性は,直接うつ反応に影響を及ぼす訳ではないが,役割葛藤,役割曖昧性を経由してうつ反応の間接的に有意な説明因となった。第三に,役割曖昧性,役割葛藤の影響はほとんどの職位でうつ反応の説明因になったが,仕事負荷の影響は,主任のみで有意な説明因であった。第四に,月平均残業時間は,主任のみでストレス反応に対して有意な説明因となった。共分散構造分析の結果では,協力の必要性が間接的に大きな影響力を持っていた。