イノベーションにおいて,偶然が重要な要素となるセレンディピティに関して,偶然の役割の核心を明らかにした。それは「偶然が,含意する真理を示し,人がそれに気付くこと」,あるいは「偶然が思考の触発契機となり,潜在的に継続していた思考において,創造が瞬時に成就すること」である。左記の核心の存否によってセレンディピティを識別した上で,偶然が創造活動(科学的創造,技術革新,市場創造)のどの分野に生起するか,加えて仮説構築過程または仮説検証過程のいずれに作用するかによってセレンディピティの六類型を抽出した。以上により,今後のセレンディピティ研究の全体フレームを提示する。