2022 年 8 巻 4 号 p. B_10-B_17
本研究は、地方都市圏における高校生を対象に通学の現状と交通に抱く具体的なイメージを把握するとともに、将来的な帰還意向と環境との関係性を把握することを目的とした。群馬県北部地域の 13 の高校を対象としたアンケート調査を用いて、テキストマイニングから交通のイメージを、将来への帰還意向を目的変数に設定したモデルを仮定して数量化理論第 II 類による分析を行った。分析の結果、「電車やバスの本数を増やして欲しい」「運賃が高い」「駅やバス停の近くにコンビニが欲しい」といった交通に対するイメージが明らかにされるとともに、数量化理論第 II 類による分析から,将来的な住みたいところの意向に高校卒業後に希望する進路と就業の環境、家族や親族の存在、商業施設や公共交通の利便性が大きく影響を与えていると考えた。