日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
Online ISSN : 2424-1776
Print ISSN : 1880-2133
ISSN-L : 1880-2133
解説
応用動物行動学における統計解析の進展 前編:一般線形モデル
多田 慎吾新村 毅
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 53 巻 3 号 p. 105-116

詳細
抄録

応用動物行動学および家畜管理学分野では、取得したデータが正規分布に従わないことが多々ある。この場合には、正規分布を仮定した分散分析や回帰分析といった一般線形モデルを用いるのは適切でないため、主にデータの変数変換やノンパラメトリック手法の適用により対処されてきた。しかし、変数変換によってもデータの正規性を満たせない場合も多く、ノンパラメトリック手法は検出力が低いなどの問題も指摘されている。近年、これらの代替となる可能性のある手法として、一般線形モデルを拡張して、正規分布以外の分布も仮定できるようにした一般化線形モデルが普及してきており、応用動物行動学および家畜管理学分野でも一層の利用が期待される。本稿では、前編として、フリーのソフトウェアであるRを用いて、まず一般線形モデルについて、その概念と練習用データを用いた解析例を、実際のRのコマンドを示しつつ解説する。

著者関連情報
© 2017 日本家畜管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top