日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
Online ISSN : 2424-1776
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ISSN-L : 1880-2133
53 巻, 3 号
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原著論文
  • 森田 茂, 干場 信司, 小宮 道士, 高橋 圭二, 山田 弘司, 中辻 浩喜, 泉 賢一
    2017 年 53 巻 3 号 p. 91-97
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー

    本研究では、双方向移動方式(フリーカウトラフィック)を採用した酪農場における乳牛群の自動搾乳機への進入パターンを個体別に調べるとともに、搾乳の規則性について乳牛個体ごとに検討した。双方向移動方式を採用した51頭の乳牛を、自動搾乳システムで飼養した酪農場における7日間のデータを解析に用いた(進入3,522回)。搾乳の規則性は、搾乳間隔期時間の変動係数により評価した。1日当たりの自動搾乳機への進入回数の増加により、搾乳間隔期時間は短縮した。搾乳間隔期の前半期での進入が少なく、最終四半期に多いパターンを持つ個体は、他のパターンの個体に比べ、搾乳間隔期時間が短く、搾乳の規則性が高かった。このことは、自動搾乳機への頻繁な進入と、搾乳許可を受ける時刻直前の活発化が、自動搾乳システムにおける搾乳回数の増加と規則性の向上に必要であることを示している。

  • 福澤 めぐみ, 若山 遥, 中島 彩香
    2017 年 53 巻 3 号 p. 98-104
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー

    シカの副産物(「大腿骨」・「肋骨」・「角」)の提示がイヌ口腔内衛生にもたらす効果について検討した。実験供試1ヶ月前から歯垢除去効果を謳っているフードの摂食、ケア製品等の使用を制限した健康な成犬8頭を対象に、各副産物をそれぞれ3分間自由摂食させ、摂食前後の上下顎左右犬歯プラークスコアを無麻酔下で測定した。プラークスコア減少率は「大腿骨17.06%」、「肋骨11.58%」、「角23.76%」だった。また、「大腿骨」と「角」の摂食後プラークにそれぞれ有意な減少が認められた。以上のことから、今回利用したシカ副産物3種類のうち「大腿骨」と「角」にイヌの口腔内衛生改善効果が期待できると考えられた。しかし、それら副産物に対する反応は個体によって異なることから、犬種や年齢、嗜好性等を考慮して素材を提供すべきである。

解説
  • 多田 慎吾, 新村 毅
    2017 年 53 巻 3 号 p. 105-116
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー

    応用動物行動学および家畜管理学分野では、取得したデータが正規分布に従わないことが多々ある。この場合には、正規分布を仮定した分散分析や回帰分析といった一般線形モデルを用いるのは適切でないため、主にデータの変数変換やノンパラメトリック手法の適用により対処されてきた。しかし、変数変換によってもデータの正規性を満たせない場合も多く、ノンパラメトリック手法は検出力が低いなどの問題も指摘されている。近年、これらの代替となる可能性のある手法として、一般線形モデルを拡張して、正規分布以外の分布も仮定できるようにした一般化線形モデルが普及してきており、応用動物行動学および家畜管理学分野でも一層の利用が期待される。本稿では、前編として、フリーのソフトウェアであるRを用いて、まず一般線形モデルについて、その概念と練習用データを用いた解析例を、実際のRのコマンドを示しつつ解説する。

  • 多田 慎吾, 新村 毅
    2017 年 53 巻 3 号 p. 117-126
    発行日: 2017/09/25
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー
    電子付録

    近年、一般線形モデルを拡張して、正規分布以外の分布も仮定できるようにした一般化線形モデルが普及してきており、応用動物行動学および家畜管理学分野でも一層の利用が期待される。前編では、フリーのソフトウェアであるRを用いて、一般線形モデルの概念と実データを用いた解析例について解説した。本稿では、後編として、一般線形モデルの拡張である一般化線形モデルについて、その概念と練習用データを用いた解析例を、実際のRのコマンドを示しつつ解説する。

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