日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
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原著論文
イヌ口腔内衛生に対するシカ副産物利用の検討
福澤 めぐみ若山 遥中島 彩香
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2017 年 53 巻 3 号 p. 98-104

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抄録

シカの副産物(「大腿骨」・「肋骨」・「角」)の提示がイヌ口腔内衛生にもたらす効果について検討した。実験供試1ヶ月前から歯垢除去効果を謳っているフードの摂食、ケア製品等の使用を制限した健康な成犬8頭を対象に、各副産物をそれぞれ3分間自由摂食させ、摂食前後の上下顎左右犬歯プラークスコアを無麻酔下で測定した。プラークスコア減少率は「大腿骨17.06%」、「肋骨11.58%」、「角23.76%」だった。また、「大腿骨」と「角」の摂食後プラークにそれぞれ有意な減少が認められた。以上のことから、今回利用したシカ副産物3種類のうち「大腿骨」と「角」にイヌの口腔内衛生改善効果が期待できると考えられた。しかし、それら副産物に対する反応は個体によって異なることから、犬種や年齢、嗜好性等を考慮して素材を提供すべきである。

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© 2017 日本家畜管理学会
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