日本ダニ学会誌
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原著
無気門亜目ダニの化学生態学 第59報. Schwiebea elongata Banks の警報フェロモンとして,ネラールを同定(英文)
桑原 保正衣斐 豊祐中谷 葉子漁野 篤史森 直樹坂田 知世岡部 貴美子
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2001 年 10 巻 1 号 p. 19-25

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抄録
プールで見つかったプールミズコナダSchwiebea elongata Banks(ブールダニ株)のヘキサン抽出液に警報フェロモン活性を認めた.ダニの大量抽出物をGC/MS分析すると,4成分(ネラール,ゲラニアール,蟻酸ネリル,トリデカソ)を認めた.シリカゲル・カラムで分離精製すると,活性は5%及び10%エーテル/ヘキサン溶出部に認めらた.本分画はネラールを主成分(他の成分はゲラニアール)とするシトラールが得られ,投与量7.6–76ngで活性を示した.シトラール中のネラール量は試料の調製法で変動する.ネラールとゲラニアールをそれぞれ調製し生物試験すると,ネラールのみが投与量10–100ngで活性を示し,警報フェロモンはネラールと同定した.他に同種と同定され,土壌から採取された3株はネラールに対してプールダニ株と同様の活性を示した.
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© 2001 日本ダニ学会
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