抄録
日本産のコハナバチのうち,Rhopalomelissa yasumatsui Hirayama ヤスマツフシダカコンボウハナバチ と Sphecodes scabricollis Wesmael の成虫の体表に見いだされたヒナダニを Neopygmephorinae亜科に属する新種と認め,Rhinopygmephorus rhopalomelissae と命名,記載した.この新属は長く伸びた顎体部をもつことで Rackia属 および Xystrorostrum属 に似るが,前基節板がはるかに幅広いこと,第1基節条の後端と第2基節条の間がやや離れていること,第2基節条が細い線状で不明瞭なこと,副横基節条を持たないこと,第1脚の脛付節が普通の太さで,強壮な爪とそれに対立する顕著な突起をもつことなどで容易に区別できる.