接着歯学
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デュアルキュア型コア用レジンの象牙質接着強さの 経時的推移
川本 諒 辻本 暁正大内 元崔 慶一坪田 圭司高見澤 俊樹黒川 弘康宮崎 真至日野浦 光
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2015 年 33 巻 4 号 p. 155-162

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抄録

デュアルキュア型コア用レジンの象牙質に対する初期接着強さの経時的推移について,アドヒーシブおよびレジン ペーストに対する光線照射の有無による影響を検討した.  コア用レジンシステムには,エステコア(EC,トクヤマデンタル),クリアフィルDC コアオートミックスONE (DC,クラレノリタケデンタル)およびユニフィルコアEM(UC,ジーシー)を使用した.付属のアドヒーシブをウ シ象牙質に塗布し10 秒間光照射した.この被着面に対しコア用レジンペーストを填塞,光照射し,接着試験用試片と した.これを照射あり条件とし,照射なし条件ではアドヒーシブおよびコア用レジンへの光照射を一切行わなかった. 試片作製10 分後に37℃精製水中に浸漬し,10,30,60 分および6,12,24 時間保管後,剪断接着強さを測定した.  各コア用レジンの接着強さは経時的に増加した.この経時的な変化は製品によって異なっていた.EC は他の2 製 品に比較して早期に接着強さが高くなり,また光照射有無の影響を受けなかった.DC およびUC では照射あり条件 において照射なし条件と比較して有意に高い接着強さを示した.  以上から,供試したコア用レジンでの象牙質接着強さは,光照射の有無および接着操作後の経過時間によって差が 生じることが判明した

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© 2015 一般社団法人日本接着歯学会
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