2015 年 33 巻 4 号 p. 163-169
本研究では,3 種の象牙質知覚過敏抑制材;ティースメイトディセンシタイザー(クラレノリタケデンタル), GLUMA Desensitizer(Heraeus Kulzer)およびClinpro-XT Varnish( 3M ESPE)塗布が象牙質に対するレジンの接 着強さの影響について検討した. 健全ヒト抜去大臼歯の歯冠中央部象牙質平面を#600 耐水研磨紙を用いて注水下で研削し,超音波洗浄後,各象牙 質知覚過敏抑制材をメーカー指示に従って塗布した.24 時間37℃水中浸漬後,クリアフィルトライエスボンド(ク ラレノリタケデンタル)にて歯面処理,クリアフィルマジェスティLV(クラレノリタケデンタル)を積層築盛し硬 化した.試料を24 時間37℃水中保管後,マイクロテンサイル法を用いて微小引張接着強さを測定した.象牙質知覚 過敏抑制材を塗付せずに同様に作製した接着試料をコントロールとした. Clinpro-XT Varnish 群の微小引張接着強さは他の群と比較して有意に低かった(p<0.05).ティースメイトディセ ンシタイザー群とGLUMA Desensitizer 群はコントロール群と同等の値を示した(p>0.05). 以上のことから,ティースメイトディセンシタイザーおよびGLUMA Desensitizer は,塗布後の象牙質に対するレ ジンの接着強さに影響を与えないことが明らかとなった.