接着歯学
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ビスタイトレジンセメントの臨床特性
若林 健史
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1995 年 13 巻 2 号 p. 78-84

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抄録

当院では、(株) トクヤマが開発した接着性レジンセメント“ビスタイトレジンセメント”を臨床で多用している。その使用感および臨床特性が優れているので報告する。優れている点としては、(1) 2ペーストを練和するタイプのセメントであるため計量が簡単なうえ短時間でムラなく均一な練和ができる。(2) 新開発のスーパーシリンジにより、ワンプッシュでA、Bのペーストを同時に採取することができ、さらにキャップの開閉もワンタッチでできる。(3) 化学でも光でも硬化するデュアルキュアタイプのセメントであるため必要に応じて瞬時に硬化させることができる。(4) 微細粒子の採用と高い流動性のため、被膜厚さが薄いため、合着時の浮き上がりの心配がない。(5) X線造影性を有するため、隣接面や歯肉縁下に残存したセメントのチェックが容易に行える。以上が挙げられ、かなり臨床上の使用感が優れていると思われる。

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