1995 年 13 巻 2 号 p. 85-92
接着性レジンセメントの技術の発達はめざましく、歯質、及び金属等の各種修復物に対する優れた接着性により、現在の保存、補綴修復における接着性レジンセメントの重要性は益々高くなっている。1993年9月に発売となった接着性レジンセメント「パナビア21」は、従来の接着性レジンセメントで懸念されていた象牙質への接着性が、新規歯質接着性プライマー「EDプライマー」の導入により向上され、歯髄刺激の原因と考えられてきた辺縁漏洩が抑制された。
また、接着セメントのペースト化により適量の採取、及び練和が容易になり操作性を向上させた。
今回、これらの性能を十分に発揮させるために必要な、「パナビア21」に材料特性を考慮した術式上の留意点や、材料の取扱い方法にっいて述べる。