接着歯学
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Xeno CFの歯質接合界面のFE-SEM観察ならびにフッ素徐放性について
杉崎 順平山田 敏元
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2000 年 18 巻 2 号 p. 100-108

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抄録

ワンステップ・トータル・プライミング・ボンディングシステムとして, 三金社により開発市販されたXeno CF修復システムにおけるレジンー歯質接合界面のFE-SEM観察と, 接着界面下象牙質へのフッ素の浸透深さの測定を行った. その結果, 健全エナメル質・象牙質, ならびにう蝕除去後の象牙質に対してXeno CFは緊密な接合状態を示し, 象牙質接合界面には約1μmの幅でハイブリッド層の形成が認められた. また健全象牙質, う蝕除去後の象牙質のいずれについても, 修復後1週で接着界面下約10数μmの深さまでフッ素の浸透が認められた. 本システムは, 接着操作の簡便さと良好な歯質接着性に加えて, フッ素の徐放による二次う蝕の予防効果からも臨床的に大いに期待されるシステムと考えられる.

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© 日本接着歯学会
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