接着歯学
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抗菌性およびフッ素徐放性を有する試作ボンディングシステムにおける歯質接合界面のFE-SEM観察
杉崎 順平山田 敏元
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2001 年 19 巻 3 号 p. 200-205

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抄録

この度クラレよりプライマーに抗菌性モノマーMDPBを配合し, ボンディング材へはNaFを含有させることによりフッ素徐放性を付与した2ステップタイプの試作抗菌性ボンディングシステムが開発された.われわれはこの試作ボンディングシステムを用い, 通法に従ってエナメル質, 象牙質, う蝕除去後の象牙質との接合界面の様相についてFE-SEMを用いて詳細に観察を行った.その結果エナメル質, 象牙質に対して非常に良好な接合状態を示した.特に象牙質との界面においてはアルゴンイオンエッチングを施すことによって, 研磨試料で不明瞭だったハイブリッド層が1μm以下の幅で確認された.またう蝕除去後の象牙質に対しても, 界面の様相に若干の違いがあるものの, 緊密な接合状態であった.今回の接合界面のSEM観察からは極めて有望なボンディングシステムであることが明らかとなった.

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