2001 年 19 巻 3 号 p. 206-213
最近市販のペーストタイプのレジンモディファイドグラスアイオノマーセメント (Fuji Luting, ジーシー社) およびレジンセメント3種類 (Chemiace II, サンメディカル社;Bistite II, トクヤマ社;XenoCem, サンキン社) を用いて, サーマルサイクル20,000回負荷後までの機械的性質 (曲げ強さ, 曲げ弾性率, レジリエンス), 寸法変化率および重量変化率を測定し, 既存のレジンモディファイドグラスアイオノマーセメント (Fuji Plus, ジーシー社) とレジンセメント (Compolute, スリーエムエスペ社) と比較した.
その結果, サーマルサイクル負荷後の機械的性質は, Fuji Lutingが最も低く, レジンセメントの3種類についてはBistite IIがCompoluteより優れており, Chemiace IIとXenoCemはFuji PlusとCompoluteの中間の値を示した.吸水による寸法変化では, Fuji Lutingが最も大きく, レジンセメントの3種類についてはBistite IIはCompoluteと比較して有意差がなかったが, Chemiace IIとXenoCemはCompoluteとFuji Plusの中間の値を示した.