接着歯学
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歯冠用ガラスファイバーと間接修復用コンポジットレジンのせん断接着強さ
井手 孝子柳田 廣明久松 徳子田上 直美村田 比呂司松村 英雄
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2008 年 26 巻 2 号 p. 112-117

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抄録

歯冠用ガラスファイバーと4種類の間接修復用コンポジットレジンのせん断接着強さを比較検討した. 歯冠用ガラスファイバーとしてエステニアC&BEGファイバーを, 間接修復用コンポジットレジンとしてエステニアC&B, セラマージュ, ニューメタカラーインフィス, パールエステの4種を用いた. 250μm厚のEGファイバーをサンドブラスト後シラン処理し, ボンディング剤を塗布して間接修復用コンポジットレジンを接着させ, メーカー指定の方法にて重合した. 試験片は接着後24時間水中浸漬後 (サーマルサイクリング0回), 半数にサーマルサイクリングを10,000回負荷して, せん断接着試験 (ISO 11405) を行い, Tukey HSDおよびMann-Whitney U検定にて比較した. その結果, サーマルサイクリング前では, エステニアC&Bとパールエステが有意に高い接着強さを示した. サーマルサイクリング後では, エステニアC&B, セラマージュ, パールエステ間に統計的有意差は認められなかった. サーマルサイクリングの有無にかかわらず, ニューメタカラーインフィスは最も低い接着強さを示した. 歯冠用ガラスファイバーと間接修復用コンポジットレジンの最適な組み合わせには, コンポジットレジンの組成が影響していると思われた.

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