抄録
ガラスビーズ充てんポリ塩化ビニルの降伏強度に及ぼすシランカップリング剤処理の影響について検討した。 γ - アミノプロピルメチルジエトキシシランを用い,ビーズを単分子層で被覆するのに必要な量を計算によって求め,この0.5から10倍の量で水媒体で処理した。 処理ビーズ表面の未反応のシランを除くためにメタノールで洗浄した。 処理後そのままとメタノール洗浄後のビーズのカーボン分析から反応率を求め,両方の処理ビーズを充填した樹脂を作製し,その降伏強度を比較した。 その結果,シラン処理によって降伏強度は改善され,単分子層被覆に必要と考えられるシランの量までは処理量の増加に伴って降伏強度は増加したが,それ以上のシラン量でも同程度であった。 また,粒子表面上存に在する未反応のシランによって降伏強度の改善が抑制されることが分った。