抄録
メソゲン基を骨格とするエポキシ樹脂を合成し,その硬化物の接着性が汎用のエポキシ樹脂硬化物と,どのように異なるかを検討した。 その結果,メソゲン基を骨格とするエポキシ樹脂硬化物は,汎用のエポキシ樹脂硬化物に比べて非常に高い接着強度を示すことが明らかにされた。 これは,メソゲン基を骨格とするエポキシ樹脂硬化物では応力方向に網目鎖が滑りやすく,接着剤層の大きな塑性変形が可能となり外力をより広い面積に分散できるためと考えられる。 また,いずれの硬化系も硬化の進行に伴って接着強度は,一旦極大値を示した後,減少した。 これは,硬化が進行しエポキシ樹脂が固化するのに伴って接着強度は増加するが,同時に樹脂の体積収縮を生じ,接着界面に内部応力を生 じたためと考えられる。