3種類のポリイミド微粒子 (PI) を用いて,エポキシ樹脂 (Ep) の強靭化を試みた。 Ep とのブレンド物を作製し,その材料特性については,曲げ・破壊靭性試験や広角 X 線回折等を用いて評価した。 また,強靭化の機構については,破断面の SEM 写真観察などにより考察した。PI-A ("AURUM") の場合,そのブレンド物の力学的特性は混合比に影響を受けることが分かった。 また,それ以外にも結晶化度および粒子形状が異なる PI を用いてブレンド物を作製したところ、それぞれの PI/Ep の曲げ特性および破壊靭性値に特徴的な違いが認められた。 つまり,結晶性の低い PI を用いた場合では,より高い曲げ強さを示した。また,結晶性の高い PI を用いた場合では,より高い破壊靭性値を示した。 このことから,PI/Ep の材料特性は,PI の結晶化度に影響を受けることが分かった。さらに,PI/Ep の破壊靭性は,PI の粒子形状にも影響を受けることが分かった。