抄録
ベンゾオキサジンは,高耐熱性,高ガラス転移温度および低硬化収縮性を有する開環重合性の新しい熱硬化性樹脂であることが報告されている。今回,スペーサー基によるこれらの特性の差異を明らかにする目的で,各種ビスフェノール類から合成される種々の2官能性ベンゾオキサジンを合成し,これらの熱硬化温度特性,硬化物の化学的耐熱性および熱機械的特性について検討を行った。その結果,電子吸引性のスペーサーを有するベンゾオキサジンは硬化反応温度が低くなることが明らかとなった。また,硬化物の熱分解開始温度は,スペーサー基の違いによる差異が小さく,いずれのベンゾオキサジンも300℃付近から分解反応がはじまることが分かった。また.700℃における残漬率を比較すると,スペーサーにアルキル置換基を有するベンゾオキサジンは低い残置率を示すが,アルキル置換基を有しないものはいずれも50wt%以上の高い残置率を示した。さらに,硬化物の動的粘弾性測定結果から,スペーサー構造がガラス転移温度にも大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。