抄録
絹フィブロイン(SF)を用いた木材接着の可能性について圧縮せん断接着強さ試験から評価した。また,SFにエマルジョンタイプのイソシアネート(EIC)を添加した際の接着耐水性について調べた.さらに,EICとSFから調製したフイルムの特性について検討した。絹フィブロインの接着強さは,30℃の水中に3時間浸せきさせても常態試験にくらべて低下しなかった。EIC/SF比の増加に伴い接着強さは向上したが,60℃の水中に3時間試料を浸せきさせた場合,すべての試料の木部破断率は1(1%以下であった。EIC/SFフイルムの引張り試験結果から,水の収着による接着層の凝集力の低下か木部破断率の低下の主な原因であると考えられた。EIC/SF比の増加によりEIC/SFフイルムの易は低温側へシフトし,熱膨張係数は増加した。したがって.EIC/SFフイルム中では,絹フィブロインのsilkⅡ型構造などを形成している結晶部分はハードセグメントを,水や変性EICに含まれるポリオール類などに反応したEICがソフトセグメントであることが推測された。