日本接着学会誌
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研究論文
ビス(4,4´-メルカプトフェニル)スルフィドから合成したポリチオエステルとそれを添加したPETアロイの金属に対する接着性
平野 寛田中 光秋門多 丈治上利 泰幸長谷川 喜一
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2005 年 41 巻 7 号 p. 259-265

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抄録
硫黄が金属に対して強い相互作用を示すことや金属と結合することによって錯体を形成することはよく知られており,このことから硫黄を含有するポリマーが金属との密着性や接着性に優れていることは容易に推測できる。そこで,硫黄を主鎖に含む直鎖状ポリマーをbis(4,4'-mercaptophenyl) sulfide(MPS)やbis (4,4'-hydroxyphenyl) sulfide (TDP)から合成し,その金属に対する接着性について引張せん断法を用いて検討した。その結果,MPS由来のポリチオエステルは,TDPからのポリエステルに比べて高い接着強度を示し,これら2つのポリマーの化学構造の違いから,チオエステル部分が金属接着性に大きく貢献していることがわかった。 MPSポリチオエステルが,市販のポリエステルであるPBTやPETに比べて高い接着強度を示したため,これらをPETへ添加した際の挙動について調べた結果,冷間圧延鋼板に対する接着性はポリチオエステルを添加することによって格段に向上することがわかった。しかし,銅板に対する接着性はむしろ低下した。
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© 2005 一般社団法人 日本接着学会
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