抄録
メトキシ基末端ポリエーテル側鎖を有するメタクリル酸エステル(MMA[メチルメタクリレート]/MPEGMA[メトキシポリエチレングリコールメタクリレート])共重合体を合成し,その詳細な動的濡れ性と防曇性能を検討した。これらの共重合体試料は試料/水界面で高い親水性を示した。これらの表面は大きな接触角のヒステリシス(△θ)を示し,環境媒体に対応したセグメントの応答性が比較的高いことが分かった。これらの防雲性は,MPEGMA含量の増加に伴って向上した。この種の重合体が環境応答型の防曇材料として応用できる可能性を示した。さらに,これらの試料表面をPEGDMA(ポリエチレングリコールジメタクリレート)でUV硬化処理を行い,動的濡れ性と防曇性の両面から元試料表面との比較検討を行った。UV硬化処理試料について,その動的濡れ性解析からPEGDMA添加量により2つの表面構造モデルを提案した。これらの試料表面は高い親水性を示したが,同時に非常に小さい△θを示し,セグメント運動性が大きく抑制されていることを明らかにした。また,これらの試料表面はすべて高い防雲性を示し,その持続性もほぼ良好であった。